前回の導入編からの続きです。
https://arome-courrier.com/archives/187
3.予算を決めてから逆算で単価とロットを決める
例えば、シャンプーの単価が1万円と聞いて、高いか安いか、いかがでしょうか。
高い!という方も安い!という方も間違いではないですが、正解でもないです。
情報が足りなさすぎます。
つまり、価格を決めるのはメーカーじゃなくて、お客様に購入してもらって初めてその価格が適正だった、というわけです。

ちょっと意地悪な質問でしたが、シャンプーといっても、色々な処方(成分)やパッケージや内容量があります。
<成分>
・へま鎮
・ヒアルロン酸
・ダメージケアの成分など
<パッケージ>
・プラスチック容器のみ
・ラベルシールを貼る
・パッケージに印刷する(白黒、4色フルカラー)
・外箱を特殊な形状にする
<内容量>
・5gのサンプル用
・1000g以上の大容量
何が言いたいかというと、
単価から決めるな、ということです。
まずは、商品のアイデアやどんな思いを持って、どんな人(ペルソナ)にその商品を届けたいか。
購入したお客様は、どのような満足感を持つか?(付加価値)が非常に重要です。
この二つが明確になっていれば、自ずと商品のロット毎の単価を決めることができます。
そこで弊社では、「ペルソナ設定」と「付加価値」をまずお聞きします。
ちなみに、ペルソナというのは、ラテン語のpersona(ペルソナ)に由来していて、役割や立ち位置や、登場する人を示す総称として使われています。
弊社からの質問に対して、この段階で、ペルソナもふわ~っとしてたり、付加価値も「・・・」みたいに、何も考えていない場合は、お断りすることが多いです。
実際は、考えてみてくださいね~って言ってそっと通話が終わることがあります(冗談です)
とにかく往々にして、そういうお客様は、「とにかく単価が知りたいんだ。」「100個でいくら?」ばかり執拗に質問してくることがあります。
仮に単価が安くできたとしても、処方は安っぽくてシャンプーだったり、中には保湿作用もない、ほとんど水で、洗うと髪ガバッサバサに痛むというような処方の商品が完成します。
ペルソナに関しても、安いシャンプーが仮に完成したとしても、自社の顧客層は50~60代の比較的富裕層だったりすると、安っぽい商品にはあまり手を出さない、結果として在庫を抱えるケースも多々見てきました。
ペルソナ×付加価値を意識して商品を作りましょう!
4.納期
次に準備しておくと良いのが納期のイメージ。
楽天さんやAmazonさんなどで購入すると次の日に商品が手元に届く時代。
シャンプーやハンドクリームを、今月末までにお願いします、と言われても無理です。。
シャンプーの製造工程
・内容成分を決める(テストを2~3回):2か月
・パッケージ、デザインを決める:2週間
・薬機法に沿った行政への届け出:2~3週間
・容器の製造、仕入れ:在庫があれば1か月
・パッケージの製造:オリジナルは1か月
・工場ラインの予約:通常2~3か月後

企画(なんの商品を作るか)

成分・品質の調査(作るための工程)

試作

仕様・デザイン
(容器などの外見)

費用・納期調査

生産にあたり、法的な
必須手続き
これらは同時進行できるものもありますが、ざっくり言って4~6か月後に納品が可能になります。
これをクライアントさんが全部ひとりでやろうとしたら、めちゃくちゃ大変です。この部分を弊社では受託して外注さんに発注など旗振りをしています。
話を戻して、今が冬だとしたら、夏に商品発表をするイメージで商品を考えていかないといけません。
また、もう一つは、資金繰り。
通常、1000個発注とかだと数十~百万円の案件となります。
初回の取引は、全額前払い(前金)、または大手さんとかだと、1/2半額を前払い、のこりは納品後の支払いというのが多いです。
仮に1本あたり@1,000円を1,000本発注すると、100万円になります。
この50万円を今すぐ支払って、その6か月後に製品が完成して、完成したらすぐに残りの50万円も支払うことになります。
では、商品はすぐに全部売れるでしょうか?
通常は、販売時は広告宣伝を行うので多少は売れますが、売り切れるまでは3~6か月程度はかかるでしょう。
また、季節が変わることで、ハンドクリームや入浴剤、バスソルトなどは売上がピターっと止まったりします。
納期は、つまり資金繰りにも非常に大きく絡んできます。
そういう意味でいえば、化粧品などは非常に時間がかかってしまうので、まずは雑貨のアロマスプレーやディフューザーなどから企画を始めても良いかもしれません。
雑貨だとロットは比較的小さく、化粧品のリスクなどもないです。その分雑貨は競争相手が多いので、この辺りのバランスも重要です。
5.本気で作りたいという意思がすべて

いよいよラスト。
最後は結局、熱い思いです。
- 誰にも負けない商品を作りたい
- 自分が感動するような商品を作りたい
- 何十年先まで売り続けられるような商品を作りたい
- 成分面を考えながら高品質で作りたい
- 世界にたった1つの香りを作りたい
私たちOEMメーカーも、さらに実際に工場で作ってくれる化粧品製造業者も、日々山のように押し寄せる見積もり依頼に対してして見積もりを作るのはかなり苦労しています。
合い見積もりも当たり前になってしまっているので、見積もりを出しても、成約につながるわけでもないし、けっこう冷たい対応をされてしまうこともあります。
個人事業主さんや中小企業の方が、問い合わせをしても、うんともすんとも言われず、見積もりが返ってこないということもよく耳にします(弊社はそんなことありません!笑)
しかし、これはやはり、熱い思いが足りないのではと思います。繰り返しになりますが、ここまでお伝えしてきた5つの考えておくべきことは、ビジネスをスムーズに行うための手段でもあり、本気度を測るメジャーでもあります。
私たちメーカー側も事業者なので、利益は欲しいです。そして、その利益の取り方には二つあります。単価を釣り上げる方法。もう一つは、単価は安くて、利益はほぼ薄くても良い薄利多売。
「薄っぺらい適当な問い合わせをしてくるこのお客様は一見さんで終わってしまうな」、と思われるとどちらの見積もりが返ってくると思いますか?
逆に、「すごい商品のことを自分なりに考えているし、実現性ありそうだな」と思えるお客様の場合は、すぐに在庫をさばいて、追加発注をくれて長い付き合いになりそうと考えられます。
そこでOEM受託側としては「薄利多売」→クライアント様にとっては「単価が安い」という商売が成り立ちます。
6.まとめ

貴社内でまずは予算をしっかり作って頂き、その予算からいくら利益を出すのか?しかもその利益は何年以内で(在庫の回転年数)をしっかり計画しておいてください。
余裕があれば、当該商品の似たような商品を探して、料金をマーケティングしたり、パッケージの案などもイメージを作っておいてもらうと、OEM受託側も有難いです。
また、熱い思いが伝わるので、お互いにとって気持ちの良い取引につながると思います。
OEM受託側と委託者(お客様)の関係はパートナーとして相互に話しができる関係だと、きっとエンドユーザーにとって良い商品ができると信じています。
なお、弊社の場合は、相見積もりをせずに、弊社1社へ完全に専属発注を結んで頂くと初回の企画料を割り引きしたり、予算がどうしても足りない、、という場合は、例えば支払い条件を改善(納品後翌月末に支払い)したり、半年以内に次回発注を前提として、通常の半分のロットでOK(分割納品)など、様々な方法をこちらからも提案できます。
熱い思いを持ったお客様と仕事をさせて頂くことを楽しみにしています。
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